実務者研修の資格取得者に求められる技量とは

 介護職員実務者研修を修了すると訪問介護施設などでサービス提供責任者になることも可能で旧資格のホームヘルパー1級に相当する技量があるとみなされます。

すでにホームヘルパー2級や介護職員初任者研修の資格を取得して介護現場で実務経験を積まれてきた方は、当時の研修や演習内容を思い起こしてみて下さい。

授業に出席し、テキストを読んだりレポートを提出したり、実技演習を行ったりしたことが懐かしく思うことでしょう。

初任者研修と実務者研修の違いとは

 それでは初任者研修と実務者研修はどう違うのでしょうか?

一番分かりやすいのは研修カリキュラムのボリュームの違いで使用するテキストの厚みが違います。

介護福祉サービスや介護技術に関する内容がいっぱい詰め込まれています。

受講時間を比較すると初任者研修の130時間に対し、実務者研修は450時間+12時間の計462時間が実質的な受講時間になります。

実に初任者研修の3倍以上の内容を学ぶ必要があります。

実務者研修 初任者研修
研修科目 20科目 10科目
受講時間 450時間+12時間 130時間
受講期間 6ヶ月 1ヶ月〜3ヶ月

現場ヘルパーをまとめる技量が実務者研修の資格取得者には求められる

 初任者研修と実務者研修の一番の違いを挙げると、初任者研修では、介護現場で必要になる知識と技術を習得することに主眼が置かれています。

一方、実務者研修では、現場の介護職員をまとめ、看護師を始めとする関連スタッフとの連携を図り、介護サービスをトータル的に提供していくための次のようなマネジメント力を養うことにも重点が置かれています。

  • チームケア
  • ケアマネジメント
  • 介護拒否のある利用者などの難しい事例への対応方法
  • ヒヤリ-ハットなどケアサービスのリスクマネジメント

 要は、介護事業所側が組織として適切な介護サービスを提供するための仕組みづくりを構築できる技量を養えるようなカキュラムとなっています。

これは、ケアマネジャーが担っている次元とは違い、介護現場の利用者や職員の立場に立った介護サービスをマネジメントして、さらに利用者の満足度を向上させる役割を果たすためにも重要な内容です。

利用者本位のサービスを提供するマネジメント力が求められる

 実務者研修を取得した方は今後介護福祉士やケアマネジャーを目指す人もいると思いますし、福祉住環境コーディネーターや社会福祉士などの関連資格にもチャレンジすることも考えられます。

実務者研修を取り立ての頃は、ケアマネジメントはケアマネジャーや介護福祉士の仕事と考えがちです。

しかし、実際の介護現場では多くの介護人材が不足しており、現場ヘルパーをしっかりマネジメントして利用者本位の最適なケアサービスを提供できるように、全体をコントロールできる立場の人材が求められているという現状があります。

ケアマネジャーは、あくまでもケアプランを中心として利用者へ提供するサービス内容をコントロールしていきますが、実務者研修のレベルになると訪問介護計画(ケア計画)で具体的に利用者ごとの自立目標を設定して、それを実現するためのケアサービスの中身を決定していけるようになるべきです。

ケアマネジャーは、多くの利用者を抱えており、ほとんどの時間を書類作成など手続き上の業務に費やしている現状があります。

そんな中で利用者本位の最適な介護サービスをいかに提供できるかは、実務者研修レベルの技量を持った介護職員がいかにケアマネジメント力を発揮するかにかかっていると言っても過言ではありません。

介護現場の実態

 介護現場は以前から次のような課題を抱えています。

  1. 超高齢社会に突入し、介護人材が多く不足している。
  2. ケアサービスのニーズに見合うよう現場を全体的にコントロールできる人材が少ない。
  3. 現場の介護職員をまとめ、全体的に業務調整できるような統括管理的な人材がほとんどいない。

 以上のことから利用者本位の最適な介護サービスを提供する為に、実務者研修レベルの技量を持った介護職員などのマネジメント力が必要となります。

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