介護サービスマネジメントの意味
介護職員実務者研修、以前のホームヘルパー1級レベルになると、単に現場で介護業務をするだけでなく、介護サービス全体の質を向上させるための「技量」と「専門性」が必要になります。
介護サービスマネジメントとは、利用者ファーストで最善の介護サービスを提供していくため、介護現場のヘルパーをまとめ采配しながら、施設や訪問介護における仕事や現場環境の仕組み・やり方を改善していくということです。
そのためには、介護職員実務者研修レベル職員が担えるサービス提供責任者の実務では、どのような技量や専門性が要求され、現場の介護職員との違いは何かについて見ていきましょう。
介護サービスの質を全体的に高められるスキルが求められる
現場で介護を行う初任者研修又はヘルパー2級レベルと実務者研修又はヘルパー1級レベルの介護職員に求められる業務能力の差とはなんでしょうか?
実務者研修又はヘルパー1級レベルの場合、認知症や家庭環境が複雑な方など、どんな現場に入ってもうまくトラブル問題を解決し、利用者や家族に適した介護サービスを行えるという点です。
介護現場で長年仕事をしてきた介護職員などは、現場で直面する問題は尽きないと思いますが、介護現場でありがちな問題の代表的な事例を挙げてみると次のような内容があります。
- ホームヘルパーの訪問介護をうけていることを近所に知られたくないという利用者
- 預金の引き出しなど、お金に関しては介護職員を信用していない利用者
- 一人暮らしの利用者が困っていても介護サービスの契約外で断らなければならない庭の草むしりなど
- 利用者の体調に突発的急変が起こった時の恐怖感
- 仕事の重要性・きつさの割りには安い給料
このような問題に対する悩みは多くの介護職員が感じ、介護保険制度が改善されていくにつれて徐々に解消されていますが、完全に良くなっているわけではありません。
実務者研修レベルに求められる専門性とは、普通に家庭生活をあたりまえに暮らせるようにサポートできる介護スキルといえるでしょう。
また、上記のような問題を抱えている現場介護職員に耳を傾けたり、全体をまとめ采配しながら全員の能力を目いっぱい引き出し、介護サービス全体の質を向上させていけるマネジメント能力が必要です。
こう説明すると、サービス提供責任者などは、特に優れた技量を待った者しかできない難しい仕事と思う人もいるかもしれませんが、決してそういうことでもありません。
介護サービスの質と利用者満足度を高めるのは、利用者の立場になって自分の心をどれだけ重ね合わせて考えられるか、利用者の心中をどれだけ読み取ることができるのかということについて、意識をどれだけ注いでいるかにかかってきます。
いくら介護技術や能力があっても、このような意識がなければ、利用者が満足する介護は行えません。
もし意識があれば、現場で利用者からの要望を断らなければいけないケースでも、単にサービス外なのでできませんというだけでなく、起こっている問題の本質を考え、会議や上司とのやり取りの中で、できる改善策がないか模索し検討するようになります。
このような行動の積み重ねによって、結果的に介護サービスマネジメント能力も向上し、質の高い介護サービスを提供できるような環境も整っていくことに繋がります。
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