鼻腔内喀痰吸引の実施手順について

準備

  1. 医師の指示等の確認
    • 吸引圧
    • 吸引時間
    • 吸引の深さ
    • 留意点等
  2. 手洗い、物品・器材の確認・配置
  3. 利用者への吸引の説明
  4. 環境整備
    • プライバシーの保護
    • 安楽・安定した姿勢に整える

実施前

  1. 吸引前の観察
    • 鼻腔内の分泌物等の貯留物
    • 鼻腔内の状態(出血や損傷の有無)
  2. 手袋の着用(セッシ保持)

吸引開始

  1. 吸引テーテル(チューブ)を取り出し吸引器のチューブと接続します。

    但し、吸引カテーテル(チューブ)の先端は周囲の物と絶対に触れないよう注意が必要です。

  2. 清浄綿などで、吸引カテーテルの根元から先端まで拭き取ります。
  3. 利き手の指で吸引カテーテルの先端から10p程度の部分を摘み、非利き手親指でカテーテルの根元を押し曲げながら持ちます。
  4. カテーテルを持ったまま非利き手で吸引器の電源スイッチをONにします。
  5. 利き手で持ったカテーテルの先端部分を容器に入った滅菌水又は精製氷に漬け、非利き手親指を緩めて少量を吸引させながら医師から指示された吸引圧と合致しているかを確認します。
  6. 非利き手親指でカテーテルの根元を押し曲げ吸引圧がかからないようにし、容器に入れたカテーテル先端を引き上げます。

    この時、吸引チューブに水が残っていると水滴が鼻腔内に入るので、水をよく切って引き上げます。

鼻腔内吸引

  1. 利用者に開始の声掛けをしながら、カテーテルの根元は非利き手の親指で押し曲げたままの状態で、利き手で持ったカテーテルの先端を鼻腔のカーブに沿ってゆっくりと挿入し、咽頭手前まで挿入します。

    *1 鼻腔入り口は、粘膜が弱く毛細血管を傷つけやすいので十分注意が必要です。
    *2 利き手はカテーテルの先端から約10pくらいの部分を鉛筆を持つようにするとチューブを操作しやすくなります。

  2. 痰などが溜まっている部分までカテーテルの先端が挿入できたら、非利き手の親指を放して吸引圧をかけ、1個所に圧がかからないよう注意しながら、利き手の親指と人差し指で鉛筆を持つようにチューブをゆっくり回しながら貯留物を吸引します。

    * この時、医師から指示された吸引時間と吸引挿入の深さは守りましょう。

  3. 吸引が終了したら静かに吸引チューブを抜きます。
  4. 清浄綿等で吸引チューブの外側を拭きとり、滅菌精製水をチューブの内側に通して汚れを落とします。
  5. 非利き手で電源をOFFにし、吸引カテーテル(チューブ)を吸引器のチューブから外し保管容器に戻します。

    * カテーテルを適切に保管する場合は、消毒液に浸し器具を完全消毒する方法などがあります。

  6. 手袋(セッシをもどす)をはずし廃棄します。

吸引実施後の確認

  1. 実施後の声掛けと姿勢を整える
  2. 吸引後の観察
    • 吸引物の量・性状
    • 顔色・呼吸の状態
    • 全身状態
    • 鼻腔からの出血 などの異常の有無

報告・片付け・記録

  1. 手洗いをする
  2. 実施後の報告
    • 観察項目
    • ヒヤリハット・アクシデント内容
  3. 使用物品の後片付け
  4. 吸引の状況を記録
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