介護技術以外に普通の感覚をしっかり持つことも重要
ベテランの介護福祉士などは、介護職員こそ一般常識的な感覚を身に付けておくべきだと力説する人が結構います。
一般常識的な感覚とは何かを考えてみると、保育士などの資格を取得しようと思ったら、音楽や絵などの基礎知識は習得することが必要でしょう。
絵を書いたり図工をしたりピアノを弾いたりできないと保育士や幼稚園などの仕事はできません。
そう考えると介護の仕事はどうでしょうか?
介護では相手は人生経験豊富な高齢者の方が多く、絵画・音楽・習字・お茶・お花・舞踊などプロレベルの趣味を持っている人も多くいます。
一方、介護資格の研修課程には、介護・福祉に関する座学と実習だけで、このような科目はなく資格を取得できます。
しかし、本当に高齢者が満足するよう相手をするには限界があり、これは多くの高齢者の相手をしてきたベテランの介護士になるほど実感するようです。
このサイトを閲覧している皆さんは、介護サービスのプロを目標に資格を取得し、介護現場で経験を重ねて介護福祉士やケアマネジャーの資格を取得しようと目指しているのだと思います。
なので、介護のプロとして利用者の暮らしを良くするためにもっと支援していきたいという熱意を持っていると思います。
ですが、介護のプロであるのと同時に一人の年輩者としての暮らしのサポーターであるという事実もよく認識しておくべきです。
介護だけでなく、高齢である年輩者の人生に一人間として普通に接し、日々の生活に生きがいや希望を持ってもらえるようにするには、利用者の人生観や暮らし方に対しての観察力が必要になります。
介護という観点だけでなく、利用者や家族が必要としていることを、一人間という視点で考え、できることは何かを真剣に考える必要があります。
その結果、普通の感覚で考えれば介護技術に関すること以外に学ぶこともあるはずです。
特に一般常識である挨拶、約束を守る、時間を厳守するなどの感覚をしっかり持つことも大切です。
介護技術以外にも求められる専門性とは
利用者に本当に喜んでもらうには、マッサージやメークを勉強するのも一つの方法です。
実際、介護士の中には仕事をしながらアロマやリフレクソロジーの講座を受講している人もいます。
リフレクソロジーとは、手足をマッサージし心身のストレスや疲れを軽減させる有名な手法です。
ストレス社会という事もあり、癒し系のマサージを行っている店が各地に多くありますが、シルバービジネスの業界でもニーズの高い分野でもあり、年輩者にも人気となっています。
実際、介護サービスの利用者にこれらのマッサージを行うことにより、心と体が癒されリハビリの一種にもなります。
また女性の利用者に対しては、お化粧を施してあげることで、外出もほとんどせず元気がなかった方でも生き生きとしだし、表情も明るくなり認知症の症状も良くなりだした方もおられます。
これは、コスメティックセラピーとも言うようで、本来持っていた社会性や社交性を引き出せた結果かもしれません。
このように、一般社会では普通に習っているようなことが、介護を行う上でも重要な役割を果たす場合もあるので、このような意昧での一般的な感覚も必要になります。
要は介護技術だけに固執せず、様々な方法で利用者の活力を高め生活にも潤いを得られるようなプラスアルファの専門性も必要であるという事です。
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