介護事業所におけるマネジメントの仕組み構築の進め方とポイントについて

介護サービスのマネジメントを上手く進めていく仕組みを構築する

 サービス提供責任者や介護職員実務者研修修了者は、マネジメントのプロセスを上手く循環させる仕組みを構築することも大切な仕事の一つです。

利用者のニーズに合った介護サービスを提供するには、まず各プロセス内においてしっかりとマネジジメントを行い、それら要素を上手く一連の流れとすることで、初めて実現します。

そのためには、各プロセスが同じレベルで質を保ちながらスムーズに循環していくことが条件です。

いくら施設の外見や内装がきれいでも、そこで働く介護ヘルパーの人質が悪くては話になりません。

逆にスキルの高い介護ヘルパーが揃っていても、訪問介護計画や勤務シフトが不適切で利用者と会介護ヘルパーとの相性が悪ければサービスの質は低下します。

また、介護職員の業務実績を正当・公平に評価し処遇できる人事評価の仕組みがなければ、介護職員のヤル気や仕事に対する熱意は下がります。

 介護サービス事業においてマネジメントを好循環させるポイントは次の3点です。

  • 顧客ニーズを管理の基点とすること。
  • 人・物・金・情報の各要素が同レベルで管理できていること。
  • 介護サービスの全体プロセスを管理サイクルで回し続けられる仕組みがあること。

全ての業務は、利用者が求めるニーズと合致した内容を基点として、ていく必要があります。

サービス提供責任者や実務者研修修了者など管理的な立場にいる方は、管理サイクルを回し好循環させるにはどうすればいいのか、という考えに基づいて、業務に取り組むことが重要です。

介護サービスの流れを全体的に上手く循環させるプロセスを構築する

介護サービスマネジメントを一言で表すと、介護サービスを好循環させる現場環境をつくることと言えます。

ケアカンファレンスやスーパービジョンなども有効活用して次の流れで介護サービスの質を向上させていきます。

  1. 要介護者&家族が介護サービスの利用申し込みを行う
  2. ケアプラン策定
  3. 介護サービスを組み合わせる(在宅・デイ・ショート・施設サービス・医療系サービス)
  4. 介護サービスの質・介護職員のレベル向上(処遇・評価・マッチング)
  5. 介護サービスのネットワーク構築・連携(医療機関・地域・介護事業者)
  6. 提供する介護サービス内容のモニタリング評価・改善(フィードバックケア目標)
  7. ケアプランの見直し・改訂

サービス提供責任者や実務者研修修了者に期待されること

 介護職を目指し、在宅サービスで現場経験を積み重ねてきたけど、毎日の仕事に追われるだけでなんだかむなしいなどと、仕事に悩んでいる方もいると思いますが、悩みがあるのは、「理想」と「現実」とのギャップを感じ、心が葛藤している状態ともいえます。

悩みがあるという状況は、自分は本来こうありたいという理想の姿があり、理想を実現したいという熱意が、自分の心の中にあることの証拠です。

介護資格を取得するには、決められた一定期間の座学と実習を受ける必要がありますが、時間を作ることとヤル気や熱意があれば誰でも可能です。

 それよりも、なぜ介護資格を取得し介護職を目指すのか、実務者研修や介護福祉士講座で学ぶ過程を通じて、自分自身のどこを変革していきたいのか、介護の仕事を通じて、将来どのようにキャリアアップしていくのか、など具体的な将来設計が自分自身になければ、資格を取得しても単なるペーパーライセンスで、自分の成長には繋がりません。

介護職員実務者研修にはサービス提供責任者として、介護現場のマネジメント・コーディネーターを担い現場の介護ヘルパーを管理する役割期待されています。

入居介護施設では、介護現場スタッフのリーダー格として全従業員の先頭に立って引っ張っていく責任もあります。

 介護という仕事に対して、自分自身はヤル気や情熱を心に秘めながらも、利用者が必要としている良質な介護サービスを、組織として提供できるよう人を上手く使いながら仕事を進めていくスキルが求められます。

サービス提供責任者や実務者研修修了者などのレベルになれば、自分がすることだけを考えて現場作業を行うことよりも、全体的なマネジメントに関する仕事の比重が多くを占めるようになってきますし、力量も求められることになります。

 介護職にとってのステップアップは、資格のレベルを上げるだけでなく、関連業務や関連スタッフを通じて、人間性の向上や人としての幅を広げたり、活躍できる介護分野の職域を広げるなど、様々進み方があります。

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