身体障害者施設の勤務シフト
常勤・非常勤の介護職員合わせて50人規模の施設では、100人弱の入居者の生活支援を行っています。
勤務シフトは交代制で、早番(7時から16時)、遅番(10時30分から19時)、夜勤(16時半から翌日9時30分)で組まれており、1か月間でみると、3回の夜勤で6日分、5〜6回ずつの遅番と早番で働き、10日程度の休日があります。
日勤の場合は、朝8時頃に出勤し、パソコン入力された日誌内容をチェックします。
業務開始8時30分からは申し送りを行い、9時からは施設の全体朝礼ミーティングを行います。
入居者の体調は常に観察し目を配ることが大切
朝礼が終了すると、先ほど日誌をチェックした際に気がかりな入居者の様子を確認しに行きます。
特に冬になると、高齢者の中には風邪で体調不良を起こす方も少なくなく、本人の体調も気になりますが、、風邪が施設中に蔓延すると大変なことになるので、マスクの着用や手洗いうがいなど基本的な対策が必要になってきます。
風邪をひいている方には、食事は部屋で食べてもらうようにお願いし、ちょっと本人は不便ですが、他の入居者に風邪がうつらないように配慮し協力を得るようにします。
熱がある場合は、看護師と相談し施設内で様子を見るか病院へ行くかどうかを判断します。
介護用品が故障した場合は即修理対応することが重要
施設ではいろいろな介護用品が使用されていますが、特にナースコールなどが故障した場合は、特に注意が必要になります。
緊急コールが必要な可能性のある入居者の場合は、即修理する必要がありますが、そうでない場合は後回しにする時もあり、ケースバイケースで判断することが必要です。
介護用品を修理する場合、介護職員では無理なものは業者に依頼しますが、できそうな場合は、できるだけ自分たちで修理するようにします。
特に即修理しないと入居者が困るケースでよくあるのが、車いすのパンクで、誰であってもすぐに対応しないと入居者に大きな負担を与えることになってしまいます。
施設にもよりますが、緊急性が高く指導すればできることは全職員が普段から訓練して修理できるようにしているところもあります。
実際に誰でも修理できれば、仕事の負担が誰かに集中せず迅速に対応できます。
風邪などで病院に受診しに行く必要がある入居者がいれば、介護職に看護師が付き添い入居者を車で病院に連れて行きます。
昼休憩の様子
昼食は12時からですが、食事介助が必要な方もいるので、介護職員は食事介助が終わったら休憩に入りますが、随時手が空いた時間帯に休憩を取ることもあり、休憩時間もバラバラです。
障害者支援施設の個別支援計画の作成の実態
障害者支援施設のサービス管理責任者の場合は、サービス利用対象者の要望なども考慮して個別支援計画を作成し、利用者の状況を継続確認していく必要があります。
但し、入居者が多いと全員を見ることができず負担が重くなり、毎日お風呂に入りたいと入居者が要望しても、実際には実現できないこともあるので、個別支援計画の作成は簡単ではありません。
作成する際のコツは、できる範囲の中で、最善の支援を行うために、どのような要望を盛り込めるかがポイントになりますが、実際その具体案を考えるのはすごく難しく苦労している職員も多いようです。
苦労して作成された個別支援計画は、カンファレンスで具体的内容について情報共有が行われ、数カ月毎や半年毎に内容について利用状況の確認を行い、最適なサービス提供ができるように努力を続けて行きます。
日々の小さなニーズに対応する姿勢も大事
全体のサービス内容は個別支援計画で決められていますが、日々の出来事や要望にも注意を払い、細かなニーズにも対応していくことを心がけ積む重ねていくことで大きな顧客満足度に繋がっていくものです。
それには、入居者から要望されたことや意見がだされた場合は、いくら小さなことでも、介護職員一人ひとりがしっかりと書き留めて記録に残しておくことが大切です。
その中から実行できる内容は即対応して実現し、時間がかかりそうな内容は、月の各部署の責任者が集う支援ミーティングで議題に挙げてどうするか対応を考えて行きます。
どんな要望があるかというと、食器を3階のフロアにも設置して、使用しやすいようにして欲しいという要望が寄せられました。
しかし、食堂は1階にあり、食器は外部の業者の持ち物なので、介護職員がその食器だけを別管理するのは時間がかかり、破損や紛失などの責任まで被ることになるので困難であるという結論になりました。
妥協策としては、入居者が必要な分の食器を自前で購入してくれれば、洗うのは職員が対応するということになりました。
このような些細なニーズも放置せずできることはしっかり対応することで、入居者が安心して暮らせるようになり、介護職員への信頼も増すことになり、介護もスムーズに行えることに繋がってきます。
日勤での仕事は17時30分ですが、正職員の場合は、終業時間になってすぐに退勤できることは少なく、勤務表などの書類作成などの作業も多く残業もあります。
障害者支援施設のサービス管理責任者の1日の活動内容
- 8:00…出勤、介護日誌の確認
- 8:30…申し送り
- 8:45…全体朝礼
- 9:00…事務作業
- 10:00…介護関連備品の修理
- 10:45〜12:00…病院の診察の付き添い介助
- 12:00〜13:30…食事介助
- 13:30〜14:30…昼休憩
- 14:30…個別の介護支援計画の策定、状況確認
- 17:30…事務書類作成
- 19:30…後片付け、退勤
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