特別養護老人ホームで働く介護職の業務日程と仕事内容

朝の時間帯は忙しいが落ち着いて仕事をするよう注意が必要

 特別養護老人ホームの勤務が早番の場合、7時ごろに出勤します。

仕事の開始時間は7時30分からでも少し早めに通勤し各種の記録を確認します。

 7時30分になれば担当しているフロアで夜勤の職員から簡単に口頭報告を受けた後、起床介助を行います。

まずトイレ介助を行い、お茶を入れ、朝食の準備も行います。

起床時には、施設の2階と3階にいる計50名ほどの利用者の身じたく介助を、夜勤と早番の計4名くらいの介護職員で行います。

 8時過ぎから朝食を取りますが、食堂ではイスへ誘導したり配膳を手伝い、必要な方には食事介助を行います。

朝はバタバタしているので、長時間椅子に座っていられない利用者には、食堂ではなく各フロアの自分の部屋で朝食をとる方もいるので、各部屋のベッドまで朝食を運びます。

朝は介護職員が徐々に出勤し人数が増えてきますが、食事時間は、準備も多く、いつもバタバタと忙しい状況になりがちですが、できる限り落ち着いて食事を取れるように配慮した行動をこころがける必要があります。

朝食を終えた利用者から順に丁寧で分かりやすい言葉で話しかけ、歯磨きなどの口腔ケアを行うために洗面台へ誘導して行きます。

ここまで終われば、トイレ介助を行ったり、少し休みたいかをベッドまで移動介助します。

 9時30分になれば朝食は終わり、あわただしい朝方の業務が一旦落ち着きます。

次に朝のミーティング礼で連絡事項や申し送り事項を確認し合います。

入浴介助の様子と頻度

 9時30分朝食修了後には、おむつ交換が必要な方も出てきます。

オムツの交換時間は施設では決められているようですが、排泄リズムは個人差があるので、都度そのタイミングに合わせて利用者別に実施することもあります。

オムツ交換が終われば、10時ごろから入浴時間帯になります。

 入浴回数も利用者一人当たり週に何回と決まっているところも多くあり、10時から12時までの間に分散して入浴してもらうように介助していきます。

入浴介助も利用者の状況によって次の2つに分かれ、入浴日も曜日を分散して介助を行います。

  • 一般浴
    手すりなど入浴補助具がついた普通の浴室での入浴
  • 機械浴
    湯船に入れる機械浴槽を使用し寝たままでの入浴

浴室内で実際に介助する担当と、脱衣室で衣服の着脱、浴室までの移動介助を行う担当に分かれて計3人程度の職員で介助を行います。

入浴がない日は、同じ時間帯に作業療法の一つである習字や編み物などを行います。

昼食の様子

 午前の入浴が終了したら、12時くらいから昼食の時間になるので、1階の食堂に利用者を車いすなどで誘導します。

長い時間起きていることが難しい利用者は、各フロアの個室に食事を配膳し、必要な方には食事介助を行います。

食事のペースは利用者により異なりますが13時くらいになるとほぼ全員が終了します。

昼食が終われば居室のある階に利用者をそれぞれ誘導してトイレ介助などを行います。

昼休憩の取り方・記録の重要性

 昼休憩は12時から14時の間、時間をずらして交代で1時間づつの休憩を取ります。

大きい施設では給食を注文しておけば、家から弁当を持参する必要もなく、利用者と同じ物を食べることもできます。

この昼休憩を取る前後には、利用者のトイレ介助の記録を忘れず付けておく必要があります。

特にトイレ介助の記録は重要で、後回しにして記録を忘れると、実際は利用者が排便したのに記録上はしていないことになり、便秘予防のために必要のない下剤を飲ませてしまう可能性もあるからです。

多くの介護職員は記録忘れ防止のために、ちょっとした時間の合い間を見て早めに記録するように心がけている様です。

午後のミーティング

 14時くらいから介護職員、看護師などが集まり小ミーティングを行い、情報を共有するための連絡や打ち合わせを行います。

ミーティングが終了すれば、全職員でオムツ交換などを行ったり、フロアを見回ったりします。

午後の入浴介助の様子

 15時になると、午後の入浴介助などを行いますが、既に午前に入浴した利用者にはおやつやお茶を出します。

16時30分になると全員の入浴が終了します。

早番の場合は16時半で勤務が終わるので、遅番の人に引継ぎや申し送りを行います。

今日中に処理する必要がある書類があれば事務処理を片付けてから勤務を終了します。

2人の介護職員で夜勤を行うことも

 シフト制の交代勤務の場合は毎日出勤時間が異なり、月に4回〜5回の夜勤がありますが、初めて夜勤をし始めた方は、生活リズムに慣れず体調が悪くなる人も少なくありません。

回数を重ね徐々に慣れてくれば、体が順応し体調に問題はなくなりますが、やはり2人程度で夜間時間帯に複数階のフロアにいる利用者全員に対応するのは心身共に大変疲れます。

特に、寝つけない利用や何回も夜間に目が覚める利用者がいると見守りが必要で、バタバタ状態になる事もあります。

介護士の1日の活動内容

  • 7:00…出勤、各種記録の確認
  • 7:30…勤務時間開始、起床介助
  • 8:00…朝食介助
  • 9:00…朝礼・ミーティング
  • 10:00…おむつ交換、入浴介助
  • 11:00…風呂掃除、着替え
  • 12:00…昼休憩開始、昼食介助
  • 12:00〜14:00…交代制で休憩、各種記録作成
  • 14:00…休憩終了、午後ミーティング
  • 15:00…入浴介助、おやつ時間、おむつ交換
  • 16:30…書類や回覧物の事務処理、退勤
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