通所介護は多くの利用者を送迎するので気配りや神経を使うことも
通所介護(デイサービス)では、仕事が始まる8時30分になると利用者宅へ送迎車が出発するので、介護職員は朝8時30分より前に出勤し、準備を事前に済ましておくことが必要になります。
迎えに行く利用者の氏名と到着時刻、自分が同乗する車のナンバーなどをホワイトボードで確認しておきます。
申し送り事項の有無についても業務日誌を見て確認しておきます。
送迎車は通常数台あり、運転する者と介助する者の二人一組になり車に乗り送迎を行います。
通所介護の場合は、利用者の人数分の自宅に行く必要があるので、迎えに行く利用者名と時間、注意事項などが記載されている送迎記録を順次確認しながら迎えに行くことになります。
連絡する必要がある利用者宅には、到着時間を携帯で伝えておき、利用者宅に着くと玄関前で待っている利用者が送迎車に乗り込むのを介助します。
同居家族がおらず一人暮らしの高齢者の場合は、玄関のドアの鍵がしっかりかかっているかも確認します。
中には家族と一緒にオートロックマンションに住んでいる方もいますが、インターホンで連絡しマンションの入り口ドアを開けてもらい、部屋の玄関まで迎えに行き、車まで利用者の荷物を持って誘導していきます。
誘導する時は、利用者のペースに合わせ声をかけながらゆっくり付き添って歩いて行きます。
複数の利用者宅を回り送迎車の定員数を乗せると、一旦介護施設に戻り利用者を降ろし、車から降りた利用者は職員が施設前で待機しているので任せて、残りの利用者宅に向かいます。
このような送迎作業を数台の送迎車で日々数回繰り返して送り迎えを行います。
送迎作業が完了すれば、ロッカーに利用者の荷物を保管し、通所している利用者の氏名と到着時刻をホワイトボードに記入します。
通所施設の利用者数は各施設の規模によって違い、日に数十人から数百人いるところもありますが、通所に関しては毎日来る方や週に数回しか来ない方などバラバラなので、迎え先や送迎ルートは日々異なります。
毎日、多くの利用者を交通事故など安全に注意しながら確実に送迎し、気分良く通所してもらうために介護職員には細やかな気配りが必要になります。
なので、通所してもらってからの介護より神経を使う場合もあるようです。
朝会の準備作業
レクリエーションがある場合は、送迎が終了すれば準備に取り掛かります。
音楽CDと歌詞カードを用意し歌の練習ができるようにし、日付や昼食献立をホワイトボードに記入したりします。
準備している間は、他の介護スタッフが利用者を介助し入浴を順番に済ませてもらいます。
入浴待ちの利用者には、手芸など自分の好きなことをしてもらったり、リハビリが必要な方は受けてもらったりします。
朝の会の準備が終了すれば利用者の様子を見て回り、利用者と一緒になって手芸を手伝ったりしながら、各利用者の様子や状態を介護記録として残すようにします。
朝会の時間
11時の朝の会の時刻になれば担当の介護職員は前に立って挨拶をし利用者に集まるように呼びかけます。
みんなが集まれば、利用者と一緒に今日の日付・曜日・天候・昼食の献立などを読み上げていきますが、この意味は、認知機能の衰えを防止する訓練も兼ねています。
人は高齢になると自分のいる場所や置かれている状況、今日の日付や曜日などを把握する見当識という認知機能が衰えてくるからです。
今日の1日の予定日程を説明したあとは、利用者が関心を示すような話題を取り上げて、その場を盛り上げますが話題探しは介護職員の腕の見せ所でもあります。
それからは誕生日会の歌の練習や簡単な打楽器などの練習をしたり、身体機能を維持するための脚の引き寄せなど音楽に合わせてリハビリ体操などのメニューが組まれています。
交代で昼休憩は行い休憩時間は日によって変わることも
朝の会が終了し12時からの昼食時間前になると、口腔ケアに力を入れている施設では、利用者全員で口の体操を行うところもあります。
食事前に何をするかというと介護職員が前に立って音頭をとり、利用者の唾液の出を良くするために、歌を歌ったり言葉や文章を音読したりして、口を動かし周りの筋肉をほぐしていきます。
口の体操も終わり、午前中の入浴介助が終了した職員と変わってもらい、便所掃除を済ましたら12時から1時間ほどの昼休憩に入ります。
但し介護職員は一斉に昼休みをとることは難しく交代で順次休むことになります。
利用者は12時30分から昼食なので、昼休みに入っていない介護職員が食事の配膳作業を行います。
通所の場合は食事介助を要する高齢者が少ないので、自分のスタイルで食事をしてもらいます。
介護職員の昼休憩は持参した弁当を食べる人や外食する方など、当日担当する業務により異なりますが、12時頃から30分刻みでずらして交代で休憩を取ります。
昼休憩が終了すれば午後の勤務が始まり、利用者のお膳を片づけたり、食後の歯磨き介助を行ったりします。
午後のレクリエーション・おやつの時間
午後のレクリエーション活動の時間までは、利用者とトランプやカルタなどを一緒にしながら、各自のの様子を観察して記録に残します。
レクリエーションは職員が考えることが多いですが外部ボランティアの方が催してくれる場合もあります。
15時前後にになると、お茶やおやつタイムを設けている施設がほとんどで、担当の介護職員は看護師と相談し利用者の健康状況に配慮しておやつを決めます。
利用者の帰りの送迎作業
おやつの時間が終わり30分ほどすると利用者の帰宅準備に取り掛かります。
どの利用者からどういうルートで自宅へ送るかを確認し、最初に帰宅する方からトイレを済ましてもらい、車に定員数の利用者を乗せ荷物の積み込みが終われば出発します。
作業は朝の迎えと同じ要領で数台の送迎車で何回か送迎を繰り返します。
近場の方だけでなく遠方からの利用者もいる場合は、送迎に時間がかかり定刻の勤務終了時間までに終わらない場合もあります。
送迎時間が長引いた場合は、明日の準備をするために終業時間を過ぎることがありますが、朝は送迎などで忙しいので前日に必要な準備は済ましておく必要があります。
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