適切で質の高い介護サービスを利用者に提供するためには、サービス提供責任者して介護マネジメント力を養い向上するように努力する必要があります。
ここでは、サービス提供責任者にが必要とする仕事と能力はどのようなことか、介護サービスを適切に提供するためには何がポイントになるかについて解説しています。
サービス提供責任者しての介護マネジメント力の養い方
介護職員実務者研修や介護福祉士の有資格者がサービス提供責任者や介護現場の管理を任せられた場合、具体的に求められる仕事やスキルとはどのような内容になるのでしょうか。
まず、上記の立場にある方は、介護マネジメントの基本を理解し管理方法や手順を習得する必要があり、最終的には習慣化できるように日々訓練していくことが大切です。
繰り返しになりますが、どんな仕事をする場合でもマネジメントが基本になります。
介護事業を成功させるのは、物事を成り行きまかせで行うのではなく、最終目標を明確に設定し、その目標を達成するために、4つの経営資源である人・物・資金・情報などをバランスよく組み合わせ活用し、計画(Plan)―実行(Do)―評価(Check)―改善処置(Act)の管理サイクルを上手くまわしていくことが重要になります。
なので、介護職員実務者研修や介護福祉士の有資格者で責任ある立場の方は、仕事全体を4つの観点でよく観察し、所属する施設や介護サービスのあり方、介護ヘルパーや自分自身の仕事の取り組み方について、どのような状況にあるのか再度見直すことが大切です。
サービス提供責任者に要求される仕事と能力
では、サービス提供責任者相当の立場にある方に求められている仕事やスキルについて考えていきたいと思います。
この立場にある責任者は主に次の5点について業務が円滑に進められるよう仕事に取り組むことが求めらてきます。
- 適切な介護サービスの提供
- 緊急事態の的確な対応、苦情・クレームの対応と対策
- 勤務シフトの策定と運用管理
- 介護職員への研修・教育・指導
- 介護施設や福祉用具などの衛生管理、利用者や介護職員の健康管理
介護サービスを適切に提供するためのポイント
これを実現するには、介護ヘルパーの人質を向上させ介護技能のレベルにバラツキがないように均一化することと、ケアプランの内容が適切か点検し改善する必要があります。
良い介護サービスを提供できるかどうかは、現場で働く介護ヘルパーの質に大きく影響されます。
訪問先の利用者宅に出向いて、利用者に対して介護ヘルパーが最適な介助や援助を提供できているかについては、サービス提供責任者などが一番気になる部分でもあります。
しかし、施設介護と違い特に訪問介護の場合は、1対1で個室で業務が行なわれる状況になるので、その訪問先で介護ヘルパーがどのような仕事の仕方をしているかをサービス提供責任者などが逐一し把握してマネジメントすることは実質的にできません。
ですから、介護サービスを適切に提供するためには、まず各介護職員の技量を平均的なレベルまでアップし一定に保つようにすることが重要になります。
また、ケアプランの内容についてもより良いサービスができるように改善することも必要になりますが、ケアプランの作成はケアマネジャーがやる仕事だと思っている介護ヘルパーがいればその考え方を改める必要があります。
なぜなら、現場で実際にケアプランに基づき適切な介護サービスが提供されていて、利用者が生き生きとして自立できる方向に向かって日常生活を送れているかどうかを具体的に判断できるのは、現場の最前線で働いている介護ヘルパーです。
介護ヘルパーからその現状をヒアリングしたり、報告を聞いたりして改善できるようにケアマネジャーに提案していくのは、サービス提供責任者の重要な仕事です。
介護職員実務者研修課程でも、介護過程Ⅱでケアマネジメントと同レベルの基本的知識を学ぶカリキュラムが含まれています。
訪問介護計画を立案作成し、それに基いて実行運用を行い提供サービス全体をマネジメントするのもサービス提供責任者の重要な仕事です。
さらに、利用者宅をサービス提供責任者自ら定期的に個別訪問し、利用者や家族に対して介護ヘルパーの仕事ぶり、満足度、不満などヘルパーに直接言えないような本音も上手く聞き出し、改善に繋げていくのも大切な役割です。
担当している介護ヘルパーの前では感謝の言葉しか言わず不満を口に出さない利用者であっても、実際はどのように感じているのか本当にサービスに不満はないのかなど、利用者の満足度をしっかり認識し、さらにサービスを向上できるよう継続的な改善を行っていくことは、管理責任者の立場にある者の大きな役割になります。