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認知症ケアで精神的、肉体的に疲弊している介護士さんはいませんか?

実はそんな状況を大きく改善できる可能性を秘めた認知症ケアの方法が存在します。

これから紹介するユマニチュードという認知症ケアの方法を学べば、介護職員も認知症の方も負担が大きく軽減され良好なケアが実施できる可能性があります。

ユマニチュード(Humanitude)とは何か

ユマニチュード(Humanitude)は、フランス考案の認知症ケアの介護手法です。見る、話しかける、触れる、立つという4つの方法が柱となっています。

現在の日本では認知症患者が年々増加し、現場でも介護職員が大変苦労している状況ですが、海外でも事情は同じようす。

そんな状況に対処するためにユマニチュードという新しい認知症ケア技術が考案されています。

ユマニチュード(Humanitude)は、フランスのイヴ・ジネスト氏が考案した認知症ケアの新しい介護技術です。

2014年2月頃だと思いますが、NHKクローズアップ現代でも放送されていました。

イヴ・ジネスト氏が日本に来日し介護現場で認知症の入居者に実際ユマニチュードを実践して見せたようですが、認知症の人が魔法にかかったように驚くべき効果が目撃されています。

日本でも、ユマニチュードと同じような手法で認知症ケアを既にやられている介護職員の方も多くおられるとは思いますが、介護技術として明確に体系立てて実践できるようにしたユマニチュードはすばらしいと思います。

ユマニチュードで行うケアの柱は次の4つで、「見る、話しかける、触れる、立つ」が主となり、全技術は150種類になります。

見る

認知症の方の目の高さと同じ位置で真正面から近くで長い時間見つめ合います。

視線の高さを合わせるのは、上から見下ろす場合の威圧感が軽減され、対等な人間関係であることを実感してもらえるからです。

横や斜めからではなく真正面から見つめるのは、お互いに見つめ合うことにより存在を感じ合うことができるからです。

近くで見つめるのは、認知症の方は、視界が狭い方もおられるので遠くからだと驚かす場合もありますが、近くだとすぐ認識できるので安心して接することができるからです。

話しかける

話しかける場合は、繰り返し優しい言葉で明るく希望をもてるような建設的な声掛けを行います。

また目を見ながら話しかけるようにするとベターです。

直接の身体介護の場合は、無言で身体に触れるのはよくありません。

身体を触る前にその部位を認知症の方にわかるように言葉で話しかけ安心感を持ってもらうようにします。

触れる

認知症の方の体に触れる場合でも、例えば腕をいきなり上から掴んだりしてはいけません。

歩く場合でも手をそっと添えてあげたり、背中を柔らかくさすったりして、スキンシップをすることで認知症の方に安心感を持ってもらえるようにします。

立つ

認知症の方を介助する場合、できるだけ立ってもらって介助を行うようにします。

自力で立つ事により筋力低下を防止できるので、寝たきりにならないよう予防につながります。

例えば、体を拭く場合、歯を磨く場合なども立って行うように誘導します。

立つことにより視界が広くなるので周囲の情報を認識しやすくなり脳の衰えを防ぐことにもつながります。

認知症の発症数とケア現場での葛藤

認知症の発症数

日本の認知症者数は、過去2012年時点で約462万人となっており、高齢者(65歳以上)7人に1人が認知症と診断されています。

また軽度認知障害(MCI)に関しては約400万人がいると推計され、認知症者数と軽度認知障害者数を合計すると、高齢者の4人に1人が認知症か認知症予備群となっています。

厚生労働省の発表によれば、認知症者数は2025年に700万人前後、高齢者(65歳以上)の約5人に1人が認知症になっていると推定されています。

以上の状況に対処する為、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を実現する」という目的で、「認知症施策推進5か年計画」(オレンジプラン)」を2012年9月に発表しましたが、このプランを改定し「新オレンジプラン」を策定しました。

認知症ケア現場での葛藤

認知症になってしまった方は、施設に入所しても病院に入院しても今までとは違う生活環境に戸惑い、なぜ自分がこの施設にいるのかさえ理解できず、多くの方は頭が混乱し、急に暴れだしたり介護を拒否したり、治療さえ拒絶する場合もあります。

そうなると、介護施設や医療機関の中には、認知症の方を身体拘束したり、鎮静剤を投与したりするケースもあるようです。

身体拘束や虐待は現在の介護では禁止事項となっていますが現実には違反施設も存在します。

このような方法で一時的には安静を保てますが、結局、認知症の方が身体を自由に動かせなくなる為に運動機能が衰え、返って健康状態や機能状態が悪化するというような相反する状況に陥る可能性があります。

このような方法では、認知症の方も介護職員も精神的、肉体的に疲弊してしまいます。

ユマニチュードの効果

上記で説明したような状況を大きく改善できる可能性を秘めた認知症ケアの方法がユマニチュードかもしれません。

実際ユマニチュードが考案されたフランスの病院では、ユマニチュードを導入したことにより、良好な結果につながったケースが多く報告されています。

今までケアや治療を嫌がっていた方が、抵抗せず普通にケアや治療を受けるようになり、介護職員に対して暴言や悪態をついていた方が、「ありがとう」などと感謝の言葉をかけるようになったりというケースも見かけられるようです。

その結果、薬の使用を低減させることができたり、介護職員の負担が軽減されることにより離職率が低減したなどという成果も報告されています。

ユマニチュードのケアの仕方だけを見ていると、今までの介護時間より多くの時間がかかるようにも思え、いつも忙しい業務に追われている介護職員が実際にユマニチュードを介護現場で行えるのかどうかに対しては疑問を抱く方がおれれるかもしれません。

しかし、実際多くの成果がでているのも事実ですし、フランスでは介護職員の研修にユマニチュードを取り入れるのが一般化しています。

最初は研修や認知症の方とのコミュニケーションで時間が必要となりますが、結局、良質で効果的なケアが行え、認知症の方の人格を尊重しながらコミュニケーションをとることで認知症の症状が改善され効果が現れ出すと、介護職員側も負担が大きく軽減されることにつながります。

お金のかかる投資もせずに介護の仕方を変えるだけで、職員も認知症の方も負担が減り良好なケアが出来るのは本当に意味があることだと思います。

ユマニチュード認知症ケア動画

ユマニチュードを認知症ケアで実践している動画です。

ユマニチュード認知症ケア技術解説動画

ユマニチュード(Humanitude)の考案者であるフランスのイヴ・ジネスト氏による認知症ケア技術講座です。

ユマニチュードの認知症ケアは、優しさを伝える技術ともいえます。

ユマニチュード認知症ケア実践動画

ユマニチュード(Humanitude)の考案者であるフランスのイヴ・ジネスト氏が日本人認知症患者に対して自ら実践している動画です。

ユマニチュードはまさに奇跡のようなケアで、実践する姿を見ていると感動しますね!

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