介護福祉士に多い腰痛。腰痛は介助方法が影響するといわれ、防止するにはボディメカニクスを用いた方法が推奨されています。
腰痛は介護福祉士の職業病?
「仕事を続けていきたかったのに、腰痛がひどくて休職して、また仕事を再開したら、又ひどくなって」という話をよく聞きます。
現場で働く介護福祉士は、休むほどではないものの、腰痛をもっている人も多く、腰痛とは無縁という人を捜す方がずっと困難かもしれません。
そんなことから腰痛は介護福祉士やヘルパーの最大の敵、職業病といえます。
本やネットには腰痛の原因とされるものが書かれていますが、それを見ると確かに介護の仕事には腰痛の原因があることがわかります。
しかし、原因となるものを上手に避け、防御策をとったり、すぐに解消することが、自分の身体のためにも、プロとして介護の仕事を続けていくためにも必要になります。
ちなみに、介護福祉上が腰痛を引きおこす大きな原因は「同じ姿勢をし続けたり、無理な姿勢を長くする」「重たいものを持つ、身体を急にひねる、前屈みになることが多い」などです。
他の原因に「運動不足」がありますが、これは仕事中は無縁でも休みの日に家でゴロゴロしていれば、影響しているかも知れないということになります。
腰痛を防止するためにボディメカニクスを活用する
腰痛を防止するには、ボディメカニクスを活用した介助法が推奨されています。
ボディメカニクス(人体力学)は、人間工学で用いられる用語ですが、人の体の機能や構造を力学的な角度から考え、最小限の力で、最大限の効果が得られる動作、いわゆるテコの原理を利用した動作を行うことをいいます。
実際、介護福祉士の実技試験では、介助者がきちんとボディメカニクスに則った介助方法をしているかどうかも採点の対象となります。
援助者がボディメカニクスを活用した体制で介助を行うことは、介助する方の身体が安定することで、介護される側も身体が安定し、精神的にも安心できます。
つまり、介護する人、される人、両方に役立つものという観念でとらえられています。
ボディメカニクスを用いた介助法
では具体的にボディメカニクスを用いた介助法はどんなものになるのかといえば、まず姿勢の安定を図るために、次のことに注意します。
- 身体の重心は低いほど安定するので、意識的に低くします。
- 土台が広がっている方が安定するため、足は広めに離しましょう。
- 安定させるため相手に接近。
- 身体は小さくまとまるイメージ。
- 床との摩擦を大きくします。
次に実際の介護現場での腰痛防止を考えた介護姿勢、注意点は以下の通りです。
- 対象となる人、利用者などとできる限り近づきます。
- 腕の力だけに頼らず、身体全体で持ち上げるようにします。
- 持ち上げるときには、状態をなるべく垂直に保ちます。
- 身体はねじらないようにします。
- 膝はゆるめます。重心を低くしましょう。
- 抱き起こすときは、テコの原理を使います。
- 対象となる人、利用者などにともに動いてもらうよう声かけを。
- 1人で無理な場合は、協力者を得て行います。
腰痛防止は仕事の現場ではボディメカニクスを行い、プライベートの時間には、正しい姿勢を意識して、運動をして筋力をつけ、ストレス解消をするようにしましょう。