ここでは、介護・福祉・リハビリに役立つ資格、福祉環境や用具に関する資格など、実務者研修の資格取得後も将来ステップアップ、スキルアップを目指すための考え方・方法・役立つ資格について解説してみました。
実務者研修を取得しステップアップを目指すには段階を踏むこと
介護職員実務者研修を取得し介護職という仕事を通じて将来ステップアップしていくには、次の4つのポイントを押さえて段階を経ていくことが大切です。
次にステップアップするには具体的にどのような考え方で順を追って進んでいったらいいのかについて考えてみましょう。
段階1. 介護職員・ホームヘルパーとしてステップアップを目指す
介護の仕事に就いている人は、施設介護でも訪問介護であっても、まずは介護職員として介護の専門知識と技能を高め、現場の介護職員やホームヘルパーを教育したり仕事を采配したりできるだけのマネジメント能力を高める努力をすべきです。
施設全体の介護サービスの質を向上させるには、一人のホームヘルパーであってもマネジメント能力を上げるために、初任者研修レベルから実務者研修レベル、介護福祉士とステップアップしていくことがカギになります。
そのためには単に現場で介護の仕事をしているだけでなく介護サービスマネジメントについても考え学ぶことが必要です。
段階2. 介護・福祉ビジネス全体への関心と認識を持つ
介護保険制度の施行以降、少子高齢化が進み現在の日本は超高齢社会に突入しています。
そのためか高齢者をターゲットにしたシニア・シルバービジネスに様々な産業分野で多くの企業が参入し新しいサービスについても検討され商品化されているのが現状です。
その中でもユニバーサルデザインが有名で、障害者や高齢者が便利で使いやすい製品は、どんな人にとっても便利で使いやすいという全体に共通する基本的信念を柱にして、新しく製品を開発する際の中心的な要素として取り入れられています。
高齢者向け住宅に関してもケアハウスや有料老人ホーム、シルバーハウジングなど高齢者や障害者が生活しやすいように工夫された様々な形態の住宅が提供されています。
他にもシルバートラベル、介護タクシーなども高齢者には好評で、介護事業には、電気機器や保険大手企業も参入して全国展開されています。
介護職員が働いている介護サービスという分野も、広範囲で様々な種類があるシニア・シルバービジネスの一部にすぎません。
但し、介護職員は、高齢者に一番身近で仕事をしており利用者のことを最も理解している立場にあるので、民間サービス、公的サービスを問わず意見を求められることもあります。
実務者研修レベルの介護職員になれば、シルバービジネスの現状や関連分野に関心を持ち、常に幅広く最新情報を入手し理解しておくことも必要です。
段階3. 介護サービスに活かせるジャンルと資格を知り取得を目指す
以上のことを踏まえて、実務者研修資格と同じ分野である福祉・介護の上位資格として様々な関連領域の資格があり、介護・福祉分野だけでなく高齢者に喜んでもらえたり、自立を促したり、QOLを高めるのに役立つ資格も多くあるので、チャレンジしていくべきだと思います。
それぞれの資格自体も確かに専門資格になり簡単では有りませんが、取得目的は利用者の生活の質を全体的に向上させることで、取得することにより利用者の大きな助けになるものです。
介護技術は介護士やホームヘルパーであれば身に付けているのが当然といえる基本的技能であり、現在では介護技術だけでなく、マッサージ、音楽、美容など、各自の得意とする技能を身に付けていることで、利用者と早く打ち解けることができ信頼性も高まり、現場での介護もやりやすくなるという点では大いに役立つと考えられます。
段階4. 介護サービス事業で独立開業する
いろいろな介護サービス関連の仕事がある中で大きくキャリアアップするには、独立開業し介護施設やヘルパーステーションの事業経営に打って出るということも一つの方法です。
実際には資金も必要ですし、決断する勇気も必要になりますが、単なる介護職員から介護ビジネスの起業であり、キャリアアップを目指す最終的な夢はここにあるのではないでしょうか。
超高齢社会の日本は、この傾向がますます進んでいくことが予想され、今後もシルバー向けの介護ビジネスのニーズや必要性は大きく拡大していくことが想定できます。
高齢期に入ってからの人生のあり方、居住形態についてもニーズが多様化していますので、この時代に合ったビジネスチャンスを掴み可能性にかけることも、介護のプロとしての生き方の一つの選択肢です。
このように実務者研修やホームヘルパー1級取得レベルの介護職員でさらなるキャリアアップを目指すのであれば、介護技術の知識や技能習得だけでなく、より幅広い分野の挑戦を含めてスキルアップしていけるように努力すべきです。
上述したような考え方は、本気になって利用者の多様化したニーズに答えながら利用者の生活の質を向上させることに貢献していこうと思った場合に、介護士としての存在意義を再度考え直したりして、心から切実な思いが湧き上がってくるのかもしれません。