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介護職がシルバービジネスの全体像を把握しておくことがなぜ大切なのか、現在のシルバービジネスの全体像や業界・分野別のシルバービジネスには何があるのかについての視点や認識について考察してみました。

なぜ介護職は高齢者向けビジネスの全体像を知っておくことが重要なのか

 介護職員実務者研修や1級ホームヘルパーの有資格者レベルになれば、シルバービジネス全体への関心を持ち知っておくことで視野を広げることが大切です。

リーダー的な立場になれば、現場の介護ヘルパーをマネジメントしていくことが中心的な業務であることは言うまでもありません。

しかし、同時にホームヘルプ事業を継続していくためには、どのようにして安定的に利用者を取り込み利用者数を増やしていくか確保するかが重要な事業課題になってきます。

利用者が求めているものは何か、どのような支援を行えばいいのか、ということに関して、介護サービスの理想の姿、経営ビジョンを描く必要があります。

そのためには、介護現場での高齢者介護を通じ、介護職に必要な介護技術やコミュニケーション能力を高めることも大切ですが、ビジネスという観点で介護の仕事を捉え、現在の介護サービス業界において、自分がしている介護の仕事はどのような位置づけであるのか認識しておくことが必要になります。

継続した介護サービスを提供するためには、自分が携わる業務や業界の動向を捉え、広い視野と関心を持ち続けることが大切です。

現在のシルバービジネスの全体像

 シルバービジネスの進展の中で介護サービスの現状を把握するため、ここでは各業界のシルバービジネスの動向を見ていくことにします。

1970年当時、日本全人口数に対して65歳以上の高齢者が占める比率はわずか7%の約740万人でしたが、2000年に入ると約17%と増加し、さらに今後2025年には30.3%の3657万人、2055年にはの3626万人まで増えていくことが予想されています。

高齢社会化が世界最速で進展してきた日本では、社会や各分野で大きな様々な変化が生じています。

国や行政の施策に係わる医療保険、介護保険、年金などの社会保障制度改革だけにとどまらず、民間企業が事業活動で提供するサービスや製品・商品の形態にも変革の波が訪れ対応が迫られています。

旅行業界では、テロが蔓延した影響で顧客減少など大きな悪影響がある一方で、シルバートラベルなどは拡大傾向にあります。

豪華客船での世界一周のクルーズ旅行は、今も人気が高く、定年後の高齢者夫婦が乗船し、リタイヤ後の人生を大いに楽しんでいる方が多くいます。

ファッション業界では、40歳代以上の女性が20歳代向けに売り出したブランド商品を購入している方が多くいるなど、実際の購買客年齢層と商品開発時の想定顧客年齢層との間に、大きなズレが生じているなどの現象が起こっています。

いつまでも若々しくありたいという思いはいつの時代になっても変わらず、エイジレス社会という呼び名が高齢化進展に伴いよく耳にするようになってきました。

なので、今後のファッション業界は、いくつになっても若くいたいというシニア・シルバー世代の思いを満たせるような、実用的で魅力的な商品開発をいかに上手く行っていけるかが大きなポイントとなります。

 以前、高齢化というとマイナス的な印象が強かった時代もありましたが、高齢化は世間の一般的なレベルの問題であり、現在ではシニア・シルバーという年齢層は、企業から見ても不可欠で主な顧客ターゲットとして捉え意識した事業戦略を立てていく時代に突入しています。

以上のように、現在社会では高齢化の進展によりエイジレス社会が出現し、高齢化は社会にとって普通の現象と捉えられることで、企業のメインターゲットはシルバー世代になり、特別な顧客ではなく普通の顧客ターゲットになっています。

拡大する高齢者向けビジネスの全般像

 介護職員実務者研修や介護福祉士の資格取得を目指す場合、介護サービス業界に身を投じてキャリアアップを目指すことになります。

以前、高齢者に対する介護福祉とビジネスとは異質の分野で、同じレベルで論じるものではないという意識が強くありました。

シルバービジネスが一般的になったのは、昔コムスンがテレビCMをやり始めてからで、シニア・シルバー世代を狙ったサービスが実際の社会でビジネスとして定着していることの証でもありました。

 シルバービジネスの全体像を見ると、施設サービスや居宅サービスなどの介護保険に関わるビジネスを中心にした業界があり、周囲には各分野別にサービスや商品に関するビジネスが広がっています。

現在は、生活の基本である衣・食・住だけでなく、遊戯・娯楽・趣味・知識・美容・ファッションなどあらゆる産業分野でシルバービジネスが拡大しています。

介護職員実務者研修や介護福祉士を目指す方は、中心的な役割を果たす介護サービスというビジネスを通じてキャリアアップを目指す状況に置かれていますが、現在では福祉や介護という職域を大きく越えた幅広い分野で活躍できる可能性がある恵まれた時代にいます。

業界・分野別のシルバービジネス

業界・分野 高齢者向けサービス
食品
  • 介護食品
  • 高齢者向け食品
  • 配食サービス
流通・サービス
  • 宅配サービス
運輸
  • 介護タクシー
住宅
  • シルバーハウジング
  • バリアフリーリフォーム
情報通信
  • シニアパソコン教室
  • 安否確認システム
家電
  • ユニバーサル家電
  • IoT家電
    (家電がインターネットを通じてつながること)
健康・教育
  • 介護予防関連サービス
  • シニア海外留学
  • 生涯教育
旅行
  • シルバートラベル
ファッション
  • ユニバーサルファッション
  • HBC(ヘルシー&ビューティケア)
美容
  • 介護美容
  • コスメティックセラピー
金融・保健
  • 財産管理ビジネス
  • FP(ファイナンシャルプランニング)
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