介護福祉士を目指し実務者研修を受講したいけど、費用負担がネックになり受講をためらっているという方はいませんか?
実は、就業中の方でも無職で就職活動中の方でも、実務者研修の全ての費用を無利子で借りれて、2年間介護職に従事すれば返済免除となる公的制度があるんです。
ここでは、この受講資金貸付制度と返済免除について解説していきますので、最後までお付き合いくださいね。
1.介護福祉士の受験を途中であきらめた方の約46%は実務者研修費用が原因
まずは、次のグラフを確認して下さい。
このグラフでわかるように2019年度の介護福祉士の受験者数は、94,610人でしたが、年々減り続け2023年度では79,151人とわずか4年後で15,459人も減少しています。
このような受験者数減少の一要因として考えられるのが、実務者研修の受講・修了が受験資格の必須要件となったことが挙げられています。
介護職で介護福祉士の資格を取得していない方に厚生労働省がアンケートを実施した結果、
全体の約46%が介護福祉士の受験を途中であきらめたと回答しており、
この46%の内、約53%は実務者研修の受講費用の負担が原因であったと回答しています。
そこで、介護職の人材不足を解消するために、介護福祉士実務者研修受講資金貸付という制度が国の公的支援として設けられています。
2.介護福祉士実務者研修受講資金貸付とは何か?
介護現場で実務を担っている介護職員が介護福祉士国家試験を受験するには、訪問介護や施設介護などの業務経験が3年以上あり、かつ実務者研修を修了している場合に受験することができます。
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度とは、実務経験ルートで実務者研修を受講するために必要となる全ての費用を無利子で借りることができるという貸付制度です。
無職でも在職中であってもお金を借りることが可能で、介護福祉士の資格を取得してから介護業務に2年間従事すれば借りたお金は全額返済免除となるので、実質無料で実務者研修を受講することが可能です。
ところが、厚生労働省のアンケート調査結果では、介護職で介護福祉士の資格を持っていない方の約76%の方が、介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度を知らないと回答しており、認知度が低いことが明らかになっています。
なので、このページでは、介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度について詳しく解説していきます。
2-1. 介護福祉士実務者研修受講資金貸付の制度内容Q&A
貸付申請受付~貸付金返済免除決定まで社会福祉協議会が担当しています。
- 実務者研修の受講料
- 介護福祉士の受験対策講座の受講料
- 実習費
- テキストなどの教材費
- 参考図書代
- 文房具などの学用品
- スクーリングのための交通費
- 介護福祉士国家試験の受験料
- 実務者研修の講座を受講中または施設へ在学中、または受講・入学手続きが完了している者
- 実務者研修の修了日から直近の介護福祉士国家試験の受験資格を満たしている者(介護福祉士受験資格=介護現場での実務経験3年以上+実務者研修の修了)
- 介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士として資格登録後、各都道府県内で介護等の業務に継続して2年間以上勤務する意思がある者
- 実務者研修を修了すること
- 直近の介護福祉士国家試験に合格し、資格登録をすること
- 初回の試験で不合格になっても2回目までに合格すれば返済免除対象になる都道府県も多くあります。
- 貸付申請した都道府県内の介護施設等で2年間継続して介護業務に就くこと
- 2年間とは、介護福祉士として730日以上の在籍期間があり、そのうち360日以上介護業務に従事する必要があります。
- また、雇用形態は非常勤として働くことも可能ですが、1年間で180日以上就業する必要があります。
一般的な制度内容は以上ですが、各都道府県によって上記項目の内容が若干異なります。
なので、勤務する介護施設所在地の都道府県の社会福祉協議会に問い合わせて「介護福祉士実務者研修受講資金貸付の手引きや制度案内」を入手し必ず確認して下さい。
全国 都道府県にある社会福祉協議会への問い合わせ先一覧はこちら2-2. 介護福祉士実務者研修受講資金貸付の申請手順
介護福祉士実務者研修受講資金貸付申請の受付期間は、実務者研修の講座受講中、施設在学中の期間内のみとなっています。
実務者研修を修了してからでは、受講資金貸付申請はできません。
また、実務者研修は、通信講座を受講しても介護過程Ⅲや医療的ケアに関しては教室や会場に通学しスクーリングでの実技演習を受講することが必須条件になっています。
なので、貸付申請する前に近場の実務者研修を探すのが最優先です。
実務者研修の入学先スクールや施設、各都道府県に設置されている社会福祉協議会より手に入れることができますし、社会福祉協議会のホームページよりダウンロードすることも可能です。
全国 都道府県にある社会福祉協議会への問い合わせ先一覧はこちら貸付申請に必要な書類は概ね次のようなものですが、各都道府県により提出書類は異なるので、必ず各都道府県の社会福祉協議会で定められている申請書類の確認が必要です。
- 介護福祉士実務者研修
- 受講資金貸付申請書
- 連帯保証人同意書
- 実務者研修の受講証明書や在学証明書
- 実務経験証明書又は従事期間証明書
- 住民票記載事項証明書
各都道府県の社会福祉協議会で定められている申請書類の準備が完了すれば、社会福祉協議会に郵送などで提出します。
都道府県によっては実務者研修施設に提出する場合もあります。
貸付申請受付期間は、実務者研修の受講期間中のみとなっていて、講座修了した後は受付してくれません。
なので、受講開始後、すぐに申請を行えるようにしておきましょう。
審査後、貸付が決定すれば貸付決定通知が申請者と連帯保証人に郵送されます。
貸付決定通知が郵送され手元に届いたら、次のような書類を提出する必要がありますが、提出書類は都道府県により違いがあるので、社会福祉協議会の案内を確認しましょう。
- 実務者研修受講資金貸付金借用書
お金を借りる申請者本人と連帯保証人の署名と実印押印が必要です。 - 印鑑登録証明書
申請者本人と連帯保証人の印鑑登録証明書が必要です。 - 振込口座申請書
- 振込口座の通帳の写し
準備できた上記書類の提出先は、各都道府県の社会福祉協議会又は実務者研修施設の受付窓口になります。
申請した振込口座に一括送金され、送金完了通知が送付されます。
2-3. 介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度 返済免除になる条件は?
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度で借りたお金は、次の全ての要件をクリアすれば返済する必要がありません。
返済免除となり、実質無料で実務者研修を受講修了することができます。
- 実務者研修の資格取得
介護職員実務者研修を受講し講座を修了すること。 - 介護福祉士の資格取得
実務者研修修了後、直近で行われる介護福祉士国家試験に合格すること。- 1回目の試験で失敗しても2回目の受験までに合格すればOKの都道府県もあります。
- 資格登録
介護福祉士の資格登録を行うこと。 - 介護業務に従事
実務者研修受講資金貸付申請を行った都道府県内で2年間継続して介護の仕事に従事すること。- 介護施設などで介護福祉士として730日以上の在籍期間を有し、360日以上介護業務に従事する必要があります。
- 雇用形態は、常勤や正社員ではなく非常勤・パート・アルバイトでの勤務もOKですが、1年間で180日以上介護職として勤務する必要があります。
2-4 介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度 返済義務が発生するのはどんな時?
上記で説明した要件をクリアすれば全額免除となり、借りたお金を返済する必要はなくなりますが、全額免除にならなかった際はどうすればいいのか、次に返還方法や手続きに関して解説します。
- 実務者研修の講座や施設を退講・退学した場合。(身心の病気、不慮の事故、意欲喪失、家庭や仕事の事情などの理由も含む)
- 実務者研修を修了後、直近の介護福祉士国家試験を受験しなかった場合
- 実務者研修を修了後、直近の介護福祉士国家試験に不合格となり、翌年度の国家試験も不合格になった場合や受験しなかった場合
- 介護福祉士国家試験合格日から1年以内に介護福祉士の資格登録を行わなかった場合
- 介護福祉士の資格登録後、貸付申請した都道府県内にて介護の仕事に就かなかった場合
- 貸付申請した都道府県内にて介護の仕事に就かなかった場合や業務以外の事情で働けなくなった場合
借りたお金を返済する場合の返済期間は、各都道府県により異なります。
実務者研修の在籍期間と同等であったり、在籍期間の倍の期間であったり、1年以内であったりと様々です。
貸付申請した本人が個々の事情により、借りたお金を返済できなくなった時は、貸付申請時に連帯保証人となった方が、本人の代わりに借りたお金を返済する責務が生じます。
- 病気・怪我・負傷・災害などで休職
- 妊娠・出産で休業
- その他やむを得ない事情での休職・休業
2-5. 介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度についてよくある質問
- 源泉徴収票のコピー
- 所得・課税証明書
- 給与所得以外の所得は確定申告書のコピー
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度についての詳しい解説は以上になりますが、まずは下記のリンク先ページで近場の格安な実務者研修を探すことから始めて下さい。