介護職員実務者研修の受講科目(履修科目)は、既に取得している介護資格の種類によって履修免除となる科目があります。
なので、実務者研修を受講する場合、既に取得している資格の種類により、実務者研修の受講時間が異なります。
特に、介護職員基礎研修や訪問介護員研修1級(ホームヘルパー1級)の資格取得者は、介護職員実務者研修の受講時間が大幅に短縮されるので、短期間で資格取得することが可能です。
全研修課程は、450時間+医療的ケア12~15時間程度ですが、次の資格取得者が介護職員実務者研修を受講する場合は、資格に応じて受講科目が免除されるため受講時間が異なります。
実際の受講時間は次のようになります。
保有資格 | 履修免除時間 | 受講時間 |
介護職員基礎研修 | 400 | 50 |
ホームヘルパー1級 | 355 | 95 |
ホームヘルパー2級 | 130 | 320 |
ホームヘルパー3級 | 30 | 420 |
介護職員初任者研修 | 130 | 320 |
無資格 | 0 | 450 |
目 次 | |
1. | 保有資格別の受講(履修)免除科目一覧 |
2. | 実務者研修の受講形態について |
3. | 介護職員実務者研修の資格取得までの期間は? |
4. | 法改正による実務者研修の受講在籍期間の短縮について |
5. | 最短で取得可能な学習コースは? |
1.保有資格別の受講(履修)免除科目一覧
下記にあなたが保有している介護資格別に、実務者研修のどの研修科目が履修免除となるかを一覧で示します。
次の資格を取得済の方は、下表×印の科目は受講免除(履修免除)となりますので、受講時間も短縮され、受講料も安くなります。
実務者研修 (履修科目) |
受講 時間 |
無資格 | 訪問介護員研修 | 介護職員 基礎研修 |
介護職員 初任者研修 |
||
HP 1級 |
HP 2級 |
HP 3級 |
|||||
人間の尊厳と自立 | 5 | ○ | × | × | × | × | × |
社会の理解 I | 5 | ○ | × | × | × | × | × |
社会の理解 II | 30 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
介護の基本 I | 10 | ○ | × | × | ○ | × | × |
介護の基本 II | 20 | ○ | × | × | ○ | × | × |
コミュニケーション技術 | 20 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
生活支援技術 I | 20 | ○ | × | × | × | × | × |
生活支援技術 II | 30 | ○ | × | × | ○ | × | × |
介護過程 I | 20 | ○ | × | × | ○ | × | × |
介護過程 II | 25 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
介護過程 III | 45 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
発達と老化の理解 I | 10 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
発達と老化の理解 II | 20 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
認知症の理解 I | 10 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
認知症の理解 II | 20 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
障害の理解 I | 10 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
障害の理解 II | 20 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
こころとからだのしくみⅠ | 20 | ○ | × | × | ○ | × | × |
こころとからだのしくみⅡ | 60 | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
医療的ケア | 50 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
受講時間合計 | 450 | 450 | 95 | 320 | 420 | 50 | 320 |
履修免除時間合計 | 0 | 355 | 130 | 30 | 400 | 130 |
2.実務者研修の受講形態について
実務者研修を受講する場合には、次の2つのパターンがあります。
- 通信講座…自宅学習+スクーリング(講義+実技演習)
- 通学講座…教室での講義+実技演習
実務者研修は、介護課程Ⅲ・医療的ケアについて実技演習が必須課程となっているので、通信講座であっても必ず通学してスクーリングを受講する必要があります。
なので、全ての研修課程を自宅学習のみで受講し修了することはできません。
3.介護職員実務者研修の資格取得までの期間は?
介護職員実務者研修の学習カリキュラムは、全研修課程のトータル受講時間が450時間で、その内訳は下記の通りです。
- 学科講義:19科目(405時間)
- 実技スクーリング:介護課程Ⅲ(45時間)+医療的ケア(12~14時間程度)
医療的ケアについては、手技の項目別の最低演習回数は厚生労働省より規定されていますが、総時間数は規定されていません。
これが全て修了すれば資格取得可能となっています。
受講在籍期間は、無資格の場合で通信講座(自宅学習+スクーリング)は6か月間と設定されているスクールがほとんどです。
スクーリングの受講期間は次のようになっています。- 昼間コースが介護課程Ⅲ(7~8日)+医療的ケア(2~3日)で合計9~11日
- 夜間コースでは倍の18~22日
4.法改正による実務者研修の受講在籍期間の短縮について
平成28年3月31日以前は、既に保有している介護資格の種類により、受講科目数や受講時間は異なり長短がありましたが、受講開始から修了するまでの受講在籍期間は、保有している資格の種類に関係なく全て6ヶ月間と規定されていました。
ですが、法改正により平成28年4月1日以降、実務者研修の受講在籍期間が下表のように短縮されているので、スクール側も実務者研修の修了証明書を早く発行することが可能となっています。
保有資格の種類 | 実務者研修の資格取得 までの期間 |
無資格 | 6ヶ月 |
介護職員初任者研修 | 最短4ヶ月 |
ホームヘルパー2級 | 最短4ヶ月 |
ホームヘルパー1級 | 最短2ヶ月 |
介護職員基礎研修 | 最短1ヶ月 |
但し、スクールの運営スケジュールにより、保有している資格に関係なく一律6ヶ月としているところもあります。
5.最短で取得可能な学習コースは?
実務者研修全体の受講時間は全体で450時間と決っており、どこのスクールでも同じですので、最短で取得するには、週に何日、日に何時間の受講回数と時間が捻出できるかによって異なります。
最短で取得するには、通信講座(自宅学習+スクーリング)を受講し、スクーリングは平日コースを受講するのが一番近道です。
週の受講日数が多く、1日の受講時間が長い為、受講期間を短縮できます。
但し、働きながら受講する場合は、平日コースは時間的に無理がありますし、遠方のスクールを受講するのも通学時間と費用が負担となります。
以上のことから、下記に案内しているサイトより、まずは近場にスクールがあるかどうかを検索し、その中で時間的にも費用的にも無理なく学べる講座を選択し受講することをお勧めします。