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夜間対応型訪問介護での介護職員の対応サービス内容、交代制勤務シフトと勤務時間、利用者からのコール対応などについて紹介しています。

夜間対応型訪問介護は夜間の定期巡回や呼び出しに対応した訪問介護サービス

2006年4月より地域密着型サービスの一環として、介護保険の適用対象となったのが夜間対応型訪問介護です。

要介護状態の高齢者が長年住み慣れた自宅や地域で、介護サービスを利用して生活を送れるようにするという介護保険制度が当初目標とした介護の姿です。

しかし、実際は要介護度が高かったり、一人で生活している高齢者が、自宅で24時間生活を行うには、日勤時間帯の介護サービスのみで安心して日常生活を送ることは現実的には無理があります。

このような現状に対応し、必要に応じてサービスを夜間でも利用できるようにと始まったのが、夜間対応型訪問介護というサービスです。

 夜間対応型訪問介護のサービス形態には次のようなものがあります。

  1. 定期巡回サービス
    夜間に体位転換や排泄介助を要する利用者宅に定時巡回し介護を実施するサービスです。
  2. 随時サービス
    利用者宅にコールボタンを設置し、利用者がボタンを押してオペレーションセンターへ連絡が入れば、訪問の可否を判断し、必要であれば看護師や介護福祉士が訪問して介護を行ったり、相談を受けたりするサービスです。

    夜間に一人でトイレに行き転倒して怪我などをしたり立ち上がれないような場合などに、設置されたコールボタンを押して介護職員にいつでも来てもらえるのは、利用者の安全と安心を確保できることに繋がります。

夜間対応型訪問介護サービスがスタートしてから2年後の2008年当時の事業所数は92施設、利用者数は約2200人となっていましたが、利用状況は大きく伸びてはいませんでした。

その理由は、夜間時間帯に介護職員や看護職員、センターのオペレーターなど必要な人員を確保することが簡単ではなく、安定した事業運営が難しく、昼間時間帯のサービス提供は介護保険が適用されなかったことも大きな原因でした。

現在は夜間時間帯を含めれば昼間のサービスも介護保険が適用されるようになり、一人暮らしの高齢者も多くなり利用する方も多くなってきました。

勤務時間は、早番、遅番、夜勤、日勤の交代制

利用者数250名に対して都内で職員数15名でサービス提供を行っている事業所を例に挙げると、利用者が自宅に設置されているコールボタンを押すと24時間介護ヘルパーが駆けつけ介護サービスを提供します。

端末機器とペンダント型のコールボタンが利用者宅には貸与されます。

介護ヘルパーを呼びたい場合は、このコールボタンを押すと端末機より回線でオペレーションセンターつながり、映像を写したりハンズフリーで話ができます。

オペレーションセンターでは、次のような情報がコンピュータの画面に表示されオペレーターはその情報を確認しながら会話し、状況を見極めながら介護ヘルパーを訪問させます。

  • コールした利用者名
  • 利用者の家族構成
  • 利用者の心身状況

22時から翌朝7時くらいまでが夜間対応になり、業務としては次の3つがあります。

  1. オペレーター
    利用者からのコールに応答し、状況を確認して派遣するか判断します。
  2. 介護ヘルパー
    コールがあった利用者宅へ訪問してサービスを行います。
  3. 面接相談員
    利用者宅を訪問し契約を交わしたり、モニタリングを3か月に1回の頻度で実施し機器点検や身体状況の現状確認を行います。

勤務形態は、次のようになります。

  • オペレーターと介護ヘルパー
    3交代で7時から16時の早番、13時から22時の遅番、22時から翌7時の夜勤などのシフトで勤務します。

    但し、夜勤の介護ヘルパーは、コールによる随時訪問サービス以外に定期巡回訪問サービスも行います。

  • 面接相談員
    原則日勤で9時から18時までの時間帯で勤務します。

実際、夜勤は体力的にも疲れますが、手助けを必要としている方の役に立てるという充実感を味わうことができます。

利用者からコールがあれば、すぐに駆けつける

遅番の場合は13時からの勤務になり、10分前には出勤し、体温計と血圧計の作動やサービス記録紙など稼働バッグの中身を確認してコールが入ればすぐに訪問できるように備え、勤務開始前には申し送りと情報共有を行います。

勤務時間がスタートするとコールが入るまでは待機し、待機中でも契約予定書類を準備したり、電話応対などの仕事を行います。

訪問する都度、ケアマネジャーに結果報告を行い月末には訪問回数など全体のまとめを報告します。

待機して事務仕事をしている最中にコールが入りオペレーターが応対していますが、誤報も少なくありません。

ペンダント型のコールボタンを利用者が身に付けている場合、何かの拍子に身体が当たり嗚ってしまうことがあります。

利用者からコールが入った場合は、オペレーターが詳しい状況を確認し訪問するか救急車を呼ぶかなどの判断をしますが、詳しい状況を把握するために車で利用者宅に向かう場合もあります。

コールが入り訪問する場合、おむつ交換の依頼は多く、家族が通常行っていても便が大量に出てしまい家族で上手く対応できない場合や、介護ヘルパーが定期巡回で通常おむつ交換を行っていますが、定期巡回が終わった後に排便してしまい気持ちが悪いので、交換してほしいというような依頼もあります。

また、トイレ介助や、転倒し自分で立ち上がれないなどの依頼も多くあります。

コールがないときは随時休憩を取れる

勤務時間中は、事務所で待機しながら書類仕事を行いますが、コールがない場合は随時休憩を取ることが可能です。

待機中であっても缶コーヒーを買いに行く程度の外出は可能で、夕食時には事務所で弁当を食べ少しゆっくりとすることも出来ます。

遅番で、夜勤者が出勤してくれば申し送りを行い帰宅します。

日によって1件もコールがないこともありますが、連続して入ることもあり、この場合は事務所に戻る暇もゆっくりする暇も全くなく連続して訪問することになります。

コールに応じて急いで訪問をしても、何の問題もないことがありますが、利用者に「来てくれただけで安心した」などと声をかけてもらえると、大変うれしく思う時もあるようです。

コールが入っても利用者から応答がなく、いざ訪問してみると、利用者がぐっすり寝ていることもありますが、就寝中でもコールボタンを肌身に付けている方もいるので、寝返りなどの際に体が触れて誤ってコールされることもあります。

そんな場合でも、介護ヘルパーは利用者に問題がないことがわかればホッと安心することが多いようです。

少しでも助けを必要としている方の役に立てるのは、夜勤が多い場合は体力的にも大変ですが、満足感と充実感を味わえて、やりがいを感じれる職種とも言えます。

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