介護職員実務者研修で履修する受講科目、受講時間、受講内容、スクーリング(実技演習)について解説しています。
目 次 | |
1. | 介護職員実務者研修の受講形態について |
2. | 介護職員実務者研修の履修科目と受講時間 |
3. | 介護職員実務者研修のスクーリング(実技演習)について |
1.実務者研修の受講形態について
実務者研修は、通学講座又は通信講座で学ぶことができます。
通学講座で実務者研修を受講する場合
- 研修会場や教室に通学し、下記一覧表の全研修科目を座学と実技演習で学んでいきます。
通信講座で実務者研修を受講する場合
- スクーリング:
研修会場や教室に通学し、介護過程Ⅲ(45時間)、医療的ケア(12時間)の実技演習が行われます。 - 自宅学習:
スクーリング以外については、テキストに基づき自主学習し、添削課題を提出する必要があります。
注意点としては、実務者研修の通信講座を受講しても全受講科目20科目中、介護過程Ⅲ(45時間)、医療的ケア(12時間)については、スクール・教室・研修会場などに通いスクーリングで実技演習を受講することが必須条件となっています。
なので、自宅学習のみで実務者研修の資格を取得できる講座は、日本全国どこにもありません。
2.介護職員実務者研修の履修科目と受講時間
無資格の方が実務者研修を受講する場合は、下表の全ての研修科目を受講し修了する必要があります。
但し、ホームヘルパーなどの介護資格を過去に取得している方は、所持している介護資格の種類に応じて履修免除される研修科目があります。
詳細は、介護職員実務者研修の履修免除科目についてのページで詳しく解説していますので、一読下さいね。
実務者研修の学習カリキュラム
研修科目 | 受講時間 | 実技演習 |
人間の尊厳と自立 | 5時間 | |
社会の理解Ⅰ | 5時間 | |
社会の理解Ⅱ | 30時間 | |
介護の基本Ⅰ | 10時間 | |
介護の基本Ⅱ | 20時間 | |
コミュニケーション技術 | 20時間 | |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 | |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 | 生活支援の演習を行うスクールもある |
介護過程Ⅰ | 20時間 | |
介護過程Ⅱ | 25時間 | |
介護過程Ⅲ | 45時間 | 介護技術の実技演習 |
発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 | |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 | |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 | |
障害の理解Ⅰ | 10時間 | |
障害の理解Ⅱ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | |
医療的ケア | 50時間 (座学) |
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12時間 (実技演習) |
喀痰吸引・経管栄養等の実技演習 | |
全受講時間 | 450時間 +12時間 |
3.介護職員実務者研修のスクーリング(実技演習)について
実務者研修を終了するには、次の受講科目について通学でのスクーリング受講が必須条件となっています。
介護過程Ⅲの実技演習について
受講生が介護者役(介護する側)と利用者役(介護される側)とでペアになり、介護される側と介護する側の立場を交互に体験し、講義・座学で学んだ介護の知識に基づき、交互に実践的な演習を行い介護技術を習得します。
自分がそれぞれの立場を疑似体験することで、利用者の気持ちをより深く理解することができます。
医療的ケアの実技演習について
医療的ケア50時間の座学とは別に、12時間程度の実技演習を受講修了する必要があります。
実技演習では次の内容について、器具や人体シミュレーターを使用し実技演習を通して技能を身に付けていきます。
- 喀痰吸引:
口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部からの痰の吸引方法 - 経管栄養:
胃ろう又は腸ろう・経鼻からの経管栄養の方法 - 救急蘇生法:
ADE等の使用方法
規定の実技回数
実技演習を行う回数は法的に規定されており、それぞれ以下の回数を行う必要があります。
- 喀痰吸引:
口腔(5回以上)、鼻腔(5回以上)、気管カニューレ内部(5回以上) - 経管栄養:
胃ろう又は腸ろう(5回以上)、経鼻経管栄養(5回以上) - 救急蘇生法:
(1回以上)
生活支援技術Ⅱの実技演習について
介護現場で必要となる生活支援技術を項目ごとに座学で学びます。
生活支援技術Ⅱは、法的にスクーリングでの必須科目とはなっていませんが、スクールによっては実技演習を行っているところもあります。
私が学んだ公的機関の授業では演習を行っていました。
授業では次の内容について介護技術の講義と実技指導を受けながら実践演習で学んでいきます。
- 快適な居住環境整備と介護について
- 移動・移乗の介護技術の基本
- 食事の介護技術の基本
- 入浴・清潔保持の介護技術の基本
- 排泄の介護技術の基本
- 脱着・整容・口腔清潔の介護技術の基本
- 家事援助の基本
- 睡眠の介護
- 終末期の介護